職場やプライベートでのチームプレイ。うまくいくと達成感がありますが、時にはぶつかり合いや誤解が生じることもあります。なぜ同じチームでも、ある人とは息がぴったり合うのに、別の人とはどうもうまくいかないのでしょうか。
その答えの一つとして、MBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター)という性格診断が注目されています。MBTIでは16種類の性格タイプに分類され、それぞれに得意・不得意があります。
チームワークが求められる現代社会において、協調性の高いタイプを知ることは、自分の強みを活かしたり、チーム編成を考えたりする上で大いに役立ちます。
この記事では、チームプレイが得意なMBTIタイプをランキング形式で紹介し、それぞれの特徴や活かし方を解説します。自分や周囲の人の性格タイプを知ることで、より良いチームワークを築くヒントを見つけてみましょう。
MBTIとチームプレイの関係性について
MBTIとは何か?性格タイプを分ける基準
MBTIは、スイスの精神科医カール・ユングの心理学理論をもとに、アメリカの母娘であるキャサリン・クック・ブリッグスとイザベル・ブリッグス・マイヤーズによって開発された性格診断ツールです。
この診断では、4つの軸で性格を分析します。
- エネルギーの方向:外向型(E)か内向型(I)か
- 情報収集の方法:感覚型(S)か直観型(N)か
- 意思決定の方法:思考型(T)か感情型(F)か
- 外界への対応方法:判断型(J)か知覚型(P)か
これらの組み合わせによって、ENFP、ISTJなど16種類の性格タイプに分類されます。それぞれのタイプには特徴的な強みや弱み、行動パターンがあり、それがチームでの振る舞いにも影響します。
チームプレイに必要な要素とは
チームプレイが成功するためには、いくつかの重要な要素があります。
まず「コミュニケーション能力」です。自分の考えを適切に伝え、また他者の意見に耳を傾けることができなければ、チームはうまく機能しません。
次に「柔軟性」が挙げられます。状況の変化や他者の意見に対して柔軟に対応できることは、チームの円滑な進行に欠かせません。
「信頼関係の構築能力」も重要です。チームメンバー間で信頼関係が築けていないと、本音での議論ができず、最良の結果を導き出せません。
さらに「責任感」も必要です。自分の役割をしっかりと果たし、必要に応じて他のメンバーをサポートする姿勢がチームの成功につながります。
MBTIがチームワークにどう影響するのか
MBTIの各タイプは、チームワークにおいて異なる強みと課題を持っています。
例えば、外向型(E)の人は積極的に意見を出し、チームの雰囲気を活性化させる傾向があります。一方、内向型(I)の人は深い思考に基づいた洞察を提供し、慎重な分析でチームに貢献することが多いです。
感情型(F)の人は、チームの調和を重視し、メンバー間の関係性に気を配ります。思考型(T)の人は、論理的な分析と客観的な判断でプロジェクトを前進させることに長けています。
判断型(J)の人は計画性と締切を重視するため、プロジェクトの進行管理に強みを発揮します。知覚型(P)の人は柔軟性があり、状況の変化に対応しながら創造的な解決策を見出すことができます。
これらの特性を理解することで、チーム内での役割分担や、コミュニケーション方法の調整が可能になり、より効果的なチームワークを実現できるのです。
チームプレイが得意なMBTIタイプランキングTOP5
第5位:INFJ型(提唱者型)- 調和を大切にする平和主義者
INFJ型は「提唱者型」とも呼ばれ、深い洞察力と強い共感性を持ち合わせています。チーム内の潜在的な問題や対立を敏感に察知し、調和を保つために水面下で動くことが得意です。
INFJの人は、チームメンバー一人ひとりの感情や考えを理解しようと努め、全員が尊重される環境づくりに貢献します。また、将来のビジョンを描く能力に優れており、チームの方向性を示す役割も果たします。
ただし、内向的な性質から、自分の考えを積極的に発信するのが苦手なこともあります。しかし、信頼関係が築かれたチームでは、その洞察に満ちた意見が高く評価されることが多いです。
INFJの人がチームで最も輝くのは、メンバー間の橋渡し役として、異なる意見や価値観を統合し、全員が納得できる解決策を見出すときです。
第4位:ESFJ型(領事官型)- 周囲への気配りが得意なサポーター
ESFJ型は「領事官型」と呼ばれ、周囲の人々のニーズに敏感で、チームの調和と幸福を最優先する傾向があります。彼らは社交的で協力的、そして責任感が強いため、チームの潤滑油として機能します。
ESFJの人は、メンバーの体調や気持ちの変化にいち早く気づき、適切なサポートを提供します。また、伝統や確立された方法を尊重し、チームの安定性を保つことに長けています。
具体的な計画立案と実行力も彼らの強みです。締め切りを守り、約束を果たすことを重視するため、チームの信頼性向上に貢献します。
ESFJの人は時に他者の評価を気にしすぎることがありますが、その気配りと実行力は多くのチームで高く評価されています。特に、メンバーのケアとチームの団結力強化が求められる環境で、その真価を発揮します。
第3位:ENFJ型(主人公型)- チームを鼓舞するリーダー気質
ENFJ型は「主人公型」とも呼ばれ、人々を導き、鼓舞する天然のリーダー気質を持っています。彼らはチームメンバーの潜在能力を見抜き、それを引き出すことに長けています。
ENFJの人は、強い共感性と優れたコミュニケーション能力を持ち、チーム全体のビジョンを明確に伝えることができます。メンバー一人ひとりの成長に真摯に関心を持ち、個々の強みを活かした役割分担を考えることも得意です。
また、対立を解決する調停者としての役割も果たします。異なる意見や価値観を尊重しながら、チーム全体の方向性を見失わないようにバランスを取ります。
ENFJの人は時に自分自身のニーズを後回しにしがちですが、その献身的な姿勢とリーダーシップは、チームの成功に大きく貢献します。特に、変革期や新しいプロジェクトの立ち上げ時に、その力を発揮します。
第2位:ISFJ型(擁護者型)- 縁の下の力持ちタイプ
ISFJ型は「擁護者型」と呼ばれ、誠実さと細部への配慮に優れた、チームの縁の下の力持ち的存在です。彼らは目立つことを好まず、静かにチームを支える役割を果たします。
ISFJの人は、実務能力が高く、確実に仕事をこなすことで信頼を勝ち取ります。また、メンバーの個人的なニーズや好みを記憶しており、それに合わせたサポートを提供することができます。
彼らの強みは、安定性と一貫性です。混乱した状況でも冷静さを保ち、チームが基本に立ち返るための支えとなります。また、過去の経験から学んだ知識を活かし、効率的な方法を提案することも得意です。
ISFJの人は自分の貢献をアピールするのが苦手なため、その価値が見過ごされることもありますが、長期的には彼らの献身的な姿勢と信頼性がチームの基盤を支えています。特に、細部への注意と継続的なサポートが必要なプロジェクトで真価を発揮します。
第1位:ENFP型(広報活動家型)- 柔軟性と協調性を兼ね備えた調整役
ENFP型は「広報活動家型」と呼ばれ、チームプレイにおいて最も優れた適応力と協調性を持つタイプとして、第1位に輝きます。彼らは熱意と創造性にあふれ、チームに新しいアイデアと活力をもたらします。
ENFPの人は、優れた対人スキルを持ち、様々なタイプの人々と容易に関係を築くことができます。この能力により、チーム内の異なる意見や個性をつなぎ、全員が参加できる環境を作り出します。
また、彼らの柔軟性は状況の変化に対応する際に大きな強みとなります。固定観念にとらわれず、新しい視点からの解決策を提案することができるのです。
ENFPの人は、チームメンバーの可能性を信じ、それぞれが自分らしく貢献できるよう励ますことに長けています。彼らの前向きなエネルギーは、困難な状況でもチームの士気を高く保つ効果があります。
時に集中力が途切れたり、詳細な計画立案が苦手なこともありますが、その創造性と人間関係構築能力は、多様なメンバーで構成されるチームや、革新的なアイデアが求められるプロジェクトで特に価値を発揮します。
協調性が高いMBTIタイプの特徴
「外向型(E)」と「内向型(I)」のチームでの役割の違い
チーム内での「外向型(E)」と「内向型(I)」は、それぞれ異なる形で協調性を発揮します。
外向型の人は、積極的にコミュニケーションを取り、チームの雰囲気づくりに貢献します。会議では自分の考えを率直に述べ、議論を活性化させる役割を担うことが多いです。また、外部との連絡役や、チーム代表としてプレゼンテーションを行うことも得意としています。
一方、内向型の人は、じっくりと考えを深め、熟考された意見や洞察を提供します。騒がしい環境よりも、少人数での対話や文書でのコミュニケーションを好む傾向があります。彼らは、チームの方向性に対して重要な問いかけをしたり、見落とされがちな視点を提供したりすることで貢献します。
理想的なチームでは、外向型と内向型がバランスよく存在し、互いの強みを補完し合うことが重要です。外向型がアイデアを広げ、内向型がそれを深める、というような相乗効果が生まれるからです。
「感情型(F)」がチームプレイで発揮する強み
「感情型(F)」の人は、チームプレイにおいて特に協調性の面で大きな強みを発揮します。
彼らは他者の感情や価値観に敏感で、チーム内の雰囲気や人間関係の変化にすぐに気づくことができます。この特性により、潜在的な対立を早期に察知し、解決に導くことが得意です。
また、感情型の人は、チームメンバー一人ひとりの個性や状況を考慮した意思決定を心がけます。全員が納得できる解決策を模索し、誰も取り残されないようにする配慮が自然とできるのです。
さらに、彼らは言葉だけでなく、表情やボディランゲージなどの非言語コミュニケーションにも敏感です。そのため、言葉にされていない不満や懸念を察知し、対応することができます。
感情型の人がチームにいることで、メンバー間の信頼関係が深まり、心理的安全性の高い環境が作られやすくなります。これは創造的な意見交換や、率直なフィードバックが行われるための重要な土台となります。
「判断型(J)」と「知覚型(P)」の協調スタイルの違い
「判断型(J)」と「知覚型(P)」は、チームでの協調の仕方に明確な違いがあります。
判断型の人は、計画性と秩序を重視します。彼らは明確な目標設定と期限の厳守を大切にし、チームの進行管理に長けています。会議では議題に沿って効率的に進めることを好み、決定事項を明確にして次のステップに進むことを重視します。
一方、知覚型の人は、柔軟性と適応力に優れています。状況の変化に応じて計画を修正することを厭わず、新しい情報や視点を取り入れながら最適な解決策を模索します。彼らは多様な可能性を探るのが得意で、チームに創造的な選択肢を提供します。
判断型のメンバーは、プロジェクトの骨組みを作り、期限内に目標を達成するための道筋を示します。知覚型のメンバーは、その枠組みの中で柔軟に対応し、予期せぬ問題に対する創造的な解決策を見出します。
最も効果的なチームは、判断型と知覚型のバランスが取れているチームです。判断型が提供する構造と方向性、知覚型がもたらす柔軟性と創造性が組み合わさることで、変化する環境の中でも目標達成に向けて着実に進むことができるのです。
チームプレイが苦手なMBTIタイプとその対処法
独立心が強いタイプの特徴
チームプレイが比較的苦手とされるMBTIタイプには、独立心が強く、自律的に行動することを好む傾向があります。
例えば、INTJ型(建築家型)やINTP型(論理学者型)は、深い思考と分析を好み、自分のペースで問題に取り組むことを好みます。彼らは優れた洞察力と問題解決能力を持っていますが、自分の考えを他者と共有したり、チームの方針に合わせて調整したりすることに抵抗を感じることがあります。
また、ISTP型(巨匠型)やISFP型(冒険家型)も、自分の手でものごとを進め、実践的な解決策を見つけることを得意としますが、長時間の会議や集団での意思決定プロセスにストレスを感じることがあります。
これらのタイプに共通するのは、自分の専門性や技術を活かして独自の貢献をしたいという欲求です。チームの中でも、特定の専門分野を担当し、ある程度の自律性を持って取り組めるときに最も力を発揮します。
苦手な人でもチームに貢献できる方法
独立心が強く、チームプレイが苦手なタイプでも、その強みを活かしてチームに貢献する方法はあります。
まず、自分の得意分野を明確にし、チーム内でその専門性を活かせる役割を担うことが効果的です。例えば、深い分析や調査が必要なタスク、創造的な問題解決が求められる場面で力を発揮できます。
また、コミュニケーションの方法を工夫することも重要です。対面での長時間の議論が苦手なら、事前に自分の考えをまとめた文書を共有したり、小規模なミーティングから始めたりするなど、自分に合った方法を見つけましょう。
さらに、チームの目標や価値を自分の言葉で理解し直すことも助けになります。「なぜこのプロジェクトが重要なのか」「自分の貢献がどのように全体に影響するのか」を明確にすることで、モチベーションを高めることができます。
独立心の強いタイプは、時に異なる視点や批判的思考をチームにもたらすことができます。これは、グループシンクを防ぎ、より良い意思決定につながる貴重な貢献となります。
タイプ別の成長ポイント
MBTIの各タイプには、チームプレイにおける成長ポイントがあります。
INTJ型とINTP型は、自分の考えをより分かりやすく伝える努力をすることで、チームへの貢献が大きく向上します。専門的な知識や洞察を、他のメンバーが理解できる言葉に「翻訳」する練習が役立ちます。
ISTP型とISFP型は、長期的な計画や抽象的な議論にも価値を見出す視点を養うことが有益です。目の前の実践的な問題だけでなく、チームの長期的なビジョンにも関心を持つことで、より広い文脈での貢献が可能になります。
ENTJ型(指揮官型)やESTJ型(幹部型)などのリーダーシップを好むタイプは、時に支配的になりすぎる傾向があります。彼らは、他者の意見に耳を傾け、異なる視点を取り入れる柔軟性を養うことで、より包括的なリーダーシップを発揮できるようになります。
どのタイプも、自分の弱点を認識し、意識的に異なるスタイルを試してみることが成長につながります。例えば、内向型の人が時には積極的に意見を述べる練習をしたり、判断型の人が最終決定を少し遅らせて新しい情報を取り入れる余地を作ったりすることが有効です。
職場やグループでの相性が良いMBTIの組み合わせ
補い合える性格タイプの組み合わせ
MBTIタイプの中には、互いの強みを補完し合い、相乗効果を生み出す組み合わせがあります。
例えば、ビジョンを描くことに長けたINTJ型(建築家型)と、人々を巻き込む力のあるENFJ型(主人公型)の組み合わせは、革新的なアイデアを実現するチームで効果的です。INTJが戦略的な方向性を示し、ENFJがチームメンバーの協力を引き出すことで、大きな成果を上げることができます。
また、細部に注意を払うISTJ型(管理者型)と、大局を見渡すENFP型(広報活動家型)の組み合わせも相性が良いとされています。ISTJが実務的な側面を確実に管理し、ENFPが新しい可能性や機会を見つけることで、バランスの取れたプロジェクト運営が可能になります。
さらに、論理的な分析に強いINTP型(論理学者型)と、人間関係の調和を重視するESFJ型(領事官型)も、互いの弱点を補う良いパートナーとなります。INTPが複雑な問題の解決策を見出し、ESFJがチーム内のコミュニケーションと協力関係を促進します。
これらの組み合わせに共通するのは、異なる視点や能力が組み合わさることで、単独では達成できない成果を生み出す可能性があるという点です。
チームビルディングにMBTIを活用する方法
MBTIをチームビルディングに活用する方法はいくつかあります。
まず、チームメンバー全員がMBTI診断を受け、結果を共有するワークショップを開催することが効果的です。これにより、お互いの思考や行動パターンへの理解が深まり、コミュニケーションの改善につながります。
次に、プロジェクトの役割分担を決める際に、各メンバーのMBTIタイプの強みを考慮することも有益です。例えば、詳細な計画立案はJ(判断)タイプに、創造的なアイデア出しはN(直観)タイプに任せるなど、適材適所の配置を考えることができます。
また、チーム内の対立が生じた際には、MBTIの知識を活用して、なぜその対立が起きているのかを理解する手がかりとすることもできます。例えば、S(感覚)タイプとN(直観)タイプでは情報の捉え方が異なるため、同じ状況でも全く違う結論に至ることがあります。こうした違いを認識することで、対立を建設的な議論に変えることが可能になります。
ただし、MBTIはあくまで参考ツールの一つであり、個人の能力や適性を完全に予測するものではないことを念頭に置くことが重要です。
実際の職場での活用例
実際の職場でMBTIを活用している例をいくつか紹介します。
あるIT企業では、新しいプロジェクトチームを編成する際に、メンバーのMBTIタイプのバランスを考慮しています。例えば、創造的な製品開発チームには、革新的なアイデアを生み出すNP(直観・知覚)タイプと、それを実現可能な計画に落とし込むSJ(感覚・判断)タイプを意図的に混合させています。
また、ある教育機関では、教職員の研修プログラムにMBTIを取り入れ、異なるタイプの学生に対する効果的な指導法を学ぶ機会を設けています。例えば、E(外向)タイプの学生には活発な議論の場を、I(内向)タイプの学生には熟考の時間を提供するなど、多様な学習スタイルに対応する方法を共有しています。
さらに、大手コンサルティング会社では、クライアントとのコミュニケーションを改善するためにMBTIを活用しています。プレゼンテーションの際に、クライアントのタイプに合わせて情報の提示方法を調整することで、より効果的な提案が可能になっています。例えば、T(思考)タイプのクライアントには論理的なデータを重視し、F(感情)タイプのクライアントには人や組織への影響を強調するなどの工夫をしています。
これらの例に共通するのは、MBTIを固定的なラベル付けではなく、多様性を理解し活かすためのツールとして活用している点です。
MBTIタイプ別・チームでの活かし方
自分の強みを知ることの大切さ
MBTIを通じて自分の性格タイプを知ることは、チームでの自分の強みを理解し、それを最大限に活かす第一歩となります。
自分の強みを知ることで、チームにどのような形で貢献できるかが明確になります。例えば、ENFJ型(主人公型)の人は、チームの調和を保ちながら全員のモチベーションを高める能力があることを認識し、意識的にその役割を担うことができます。
また、自分の強みを知ることは、キャリア選択や役割分担の際にも役立ちます。自分が本来持っている特性を活かせる環境で働くことで、より高いパフォーマンスと満足度を得ることができるからです。
さらに、自分の強みを知ることは、弱みも同時に理解することにつながります。これにより、自分が苦手とする領域では他のメンバーの力を借りたり、意識的にスキルアップを図ったりする判断ができるようになります。
自分の強みを知ることの最大の利点は、自信を持ってチームに参加できることです。「自分はこれができる」という明確な認識があれば、積極的に貢献しようという意欲が生まれ、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。
タイプ別コミュニケーションのコツ
MBTIタイプによって効果的なコミュニケーション方法は異なります。タイプ別のコミュニケーションのコツを理解することで、チーム内の意思疎通がスムーズになります。
ISTJ、ISFJ、ESTJ、ESFJなどのS(感覚)タイプとコミュニケーションを取る際は、具体的な事実や詳細、実例を示すことが効果的です。抽象的な概念よりも、実際の経験や数字に基づいた説明の方が理解されやすいでしょう。
INFJ、INTJ、ENFJ、ENTJなどのN(直観)タイプには、大局的なビジョンや将来の可能性について話すことが響きます。細かい手順よりも、「なぜそれが重要なのか」という文脈や意味を伝えることが大切です。
T(思考)タイプ(INTP、ISTP、ENTP、ESTPなど)とのコミュニケーションでは、論理的な根拠を示し、感情よりも事実に基づいた議論を心がけましょう。明確な目的と合理的な説明が、彼らの理解と協力を得るカギとなります。
F(感情)タイプ(INFP、ISFP、ENFP、ESFPなど)には、人間関係や価値観への配慮を示すことが重要です。冷たい事実だけでなく、決定が人々にどのような影響を与えるかについても言及すると、より共感を得られるでしょう。
どのタイプとコミュニケーションを取る場合も、相手の視点を尊重し、柔軟に自分のスタイルを調整する姿勢が、効果的な協働の基盤となります。
チーム内での最適な役割分担
MBTIタイプの特性を理解することで、チーム内での最適な役割分担が可能になります。
ENTJ型(指揮官型)やESTJ型(幹部型)は、その決断力と組織力から、プロジェクトマネージャーやチームリーダーとして力を発揮します。彼らは明確な目標設定と効率的な進行管理を得意とします。
INFP型(仲介者型)やENFP型(広報活動家型)は、その創造性と人間理解の深さから、ブレインストーミングのファシリテーターや、チーム内の対立を解消する調停者として適しています。
ISTJ型(管理者型)やISFJ型(擁護者型)は、その正確さと信頼性から、品質管理や重要な詳細事項の確認役として価値があります。彼らは計画通りに物事を進め、抜け漏れがないよう確認する役割に向いています。
INTP型(論理学者型)やINTJ型(建築家型)は、その分析力と戦略的思考から、複雑な問題の解決策を考案したり、長期的な戦略を立案したりする役割に適しています。
ただし、これらの役割分担はあくまで一般的な傾向であり、個人の経験やスキル、興味によって最適な役割は変わります。また、同じタイプでも異なる強みを持つ場合もあるため、柔軟な対応が必要です。
最も効果的なチームは、様々なタイプのメンバーがそれぞれの強みを活かし、互いの弱みを補完し合える環境を作ることで生まれます。
MBTIの限界と注意点
性格診断に頼りすぎない考え方
MBTIは有用なツールですが、その限界を理解し、適切に活用することが重要です。
まず、MBTIは科学的な精度という点では批判もあります。心理学者の中には、信頼性や妥当性に疑問を呈する声もあり、学術的な性格理論としては「ビッグファイブ」などの方が支持されていることもあります。
また、MBTIの結果は自己申告に基づくため、自分自身の認識と実際の行動には差があることもあります。自分では「思考型」だと思っていても、実際の意思決定では感情的な要素が大きく影響していることもあるのです。
さらに、MBTIは人間の複雑な性格の一側面しか捉えていません。知能、創造性、道徳観、経験など、人間の行動や思考に影響を与える多くの要素が考慮されていません。
MBTIを活用する際は、これを「絶対的な真実」ではなく、自己理解や他者理解を深めるための「会話のきっかけ」と捉えることが大切です。タイプに基づいて人を判断したり、可能性を制限したりするのではなく、多様性を理解し、コミュニケーションを促進するツールとして使うべきでしょう。
個人差があることを忘れない
同じMBTIタイプに分類される人々の間にも、大きな個人差があることを忘れてはいけません。
例えば、二人のINFJ型の人がいたとしても、その具体的な行動パターンや価値観、興味関心は大きく異なることがあります。これは、MBTIが測定しない要素-文化的背景、教育、人生経験、価値観など-が個人の性格形成に大きく影響しているためです。
また、MBTIの各指標(E/I、S/N、T/F、J/P)は二分法ではなく、実際には連続体です。例えば、「やや内向的」な人と「非常に内向的」な人では、社会的な場面での振る舞いに大きな違いがあるでしょう。
さらに、状況によって異なる側面が現れることもあります。仕事では「判断型」の特性を発揮する人が、プライベートでは「知覚型」の柔軟さを見せることもあります。
チームの中でMBTIを活用する際は、これらの個人差を尊重し、ステレオタイプに基づいた判断を避けることが重要です。各メンバーの独自性を認め、タイプの枠を超えた成長と貢献の可能性を常に開いておくべきでしょう。
成長によって変化する可能性
MBTIタイプは固定的なものではなく、人生経験や意識的な努力によって変化する可能性があります。
若い頃は内向的だった人が、職業上の必要性から外向的なスキルを身につけ、テストでは「E(外向)」の結果が出るようになることもあります。また、論理的思考を重視する環境で育った人が、人間関係の重要性に気づき、より「F(感情)」の特性を発達させることもあるでしょう。
特に、中年期以降は「影の部分」と呼ばれる、それまであまり使ってこなかった機能が発達することがあります。例えば、長年「J(判断)」の計画性を重視してきた人が、退職後により「P(知覚)」の柔軟性や自発性を発揮するようになるといった変化です。
また、心理的な成長や自己啓発の過程で、自分の弱点を意識的に補おうとする努力により、元々のタイプとは異なる特性が強化されることもあります。
このような変化の可能性を認識することは、自分自身の成長可能性を信じ、チームメンバーの変化や成長も尊重することにつながります。MBTIタイプは「運命」ではなく、自己理解と成長のための出発点と捉えるべきでしょう。
まとめ:自分のMBTIタイプを活かしたチームプレイ
協調性を高めるためのポイント
MBTIタイプを理解することで、自分の協調性を高めるためのポイントが見えてきます。まず大切なのは、自分と異なるタイプの考え方や行動パターンを尊重する姿勢です。「違い」を「間違い」と捉えるのではなく、多様な視点として価値を見出しましょう。また、自分の強みを活かしながらも、チームの目標達成のために柔軟に役割を調整する姿勢も重要です。さらに、自分の弱点を認識し、それを補うためにチームメンバーの力を借りることも、真の協調性につながります。
自分に合ったチームでの立ち位置の見つけ方
自分に合ったチームでの立ち位置を見つけるには、まず自分のMBTIタイプの強みを理解し、それをチームにどう活かせるかを考えることが大切です。例えば、細部への注意が得意なタイプなら品質管理の役割、人間関係の構築が得意なタイプならチーム内の調整役など、自分の自然な傾向を活かせる立ち位置を探しましょう。また、チームの中で不足している視点や役割を意識的に担うことで、全体のバランスに貢献することもできます。最終的には、自分の成長につながり、かつチームの成功にも貢献できる立ち位置が理想的です。
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