朝の満員電車に揺られながら出社していると、在宅勤務の人の話が耳に入る。
「子どもを保育園に送ってから仕事してます」「家で育児しながら働けて助かる」
そんな言葉を聞いて、心のどこかで「正直ずるい」と感じてしまったことはありませんか。
その感情は、性格が悪いから生まれるものではありません。
むしろ、多くの人が抱えやすい、ごく自然な違和感です。
この記事では、「在宅勤務の人はずるい」と感じてしまう心理と、その気持ちとどう向き合えばいいのかを、人間関係の視点から考えていきます。
なぜ在宅勤務に「ずるさ」を感じてしまうのか
在宅勤務に対する不満の正体は、単なる働き方の違いではありません。
そこにあるのは、「負担の差が見えること」による心理的ストレスです。
毎日決まった時間に出社し、移動時間や身だしなみ、職場での気疲れを抱えている人にとって、在宅勤務は自由で楽なものに映りやすくなります。
特に、自分には選択肢がなく、在宅勤務ができない立場であればあるほど、不公平感は強くなります。
人は「自分が我慢していることを、他人が免除されている」と感じたとき、強い不満を覚えます。
それが「ずるい」という言葉として表に出てくるのです。

育児や保育園の話が余計に刺さる理由
在宅勤務に加えて、育児や保育園の話が出ると、感情がさらに複雑になります。
「家にいながら子どもの世話もできる」「送り迎えもできる」という状況は、仕事と生活の両立がうまくいっているように見えます。
一方で、出社が前提の働き方をしている人は、時間や体力の余裕を削って仕事をしています。
その差が可視化された瞬間、「同じ仕事なのに、なぜここまで違うのか」という疑問が生まれます。
このとき感じるのは、育児そのものへの不満ではなく、「選べない自分」と「選べている他人」の差に対する苦しさです。
在宅勤務の人は本当に楽をしているのか
在宅勤務は、外から見るほど気楽なものではない場合もあります。
仕事と生活の境界が曖昧になり、常に仕事モードから抜けられなかったり、評価が見えにくく不安を感じたりする人もいます。
また、育児をしながらの在宅勤務は、決して余裕のある状況とは限りません。
集中できない環境で成果を求められ、周囲からは「家にいるんだからできるでしょ」と期待されることもあります。
ただし、こうした事情を頭では理解していても、感情が追いつかないことはあります。
それもまた自然な反応です。
「ずるい」と感じる気持ちを否定しなくていい
在宅勤務の人を見てモヤモヤする自分を、「心が狭い」「嫉妬しているだけ」と責めてしまう人も少なくありません。
しかし、その感情は、今の働き方や環境に無理がかかっているサインでもあります。
本当にしんどいのは、他人が楽をしていることではなく、「自分が余裕を失っていること」です。
疲れや不満がたまっているときほど、周囲の恵まれているように見える状況が目につきやすくなります。
感情を押し殺すより、「自分は今、かなり消耗している」と認めるほうが、回復への第一歩になります。
不公平感から自分を守るためにできること
在宅勤務ができるかどうかは、個人の努力だけで決まるものではありません。
会社の方針や職種、制度の問題であることがほとんどです。
だからこそ、他人と自分を直接比べすぎない視点が必要になります。
「自分は自分の環境で、どこまで負担を減らせるか」「今の働き方に無理がないか」を見直すことのほうが、現実的な対処になります。
不満を内側に溜め込み続けると、人間関係そのものが歪んでしまいます。
環境への違和感は、声に出すか、選択肢を探すことでしか解消されません。
まとめ:「ずるい」と感じるのは、あなたが限界に近いサイン
在宅勤務の人がずるく見えるのは、あなたが弱いからでも、意地悪だからでもありません。
それは、今の働き方があなたにとって過酷になっているというサインです。
他人の環境を羨む気持ちの裏には、「自分も楽になりたい」「余裕がほしい」という正直な願いがあります。
その声を無視せず、自分の側に立って考えてみてください。
